■STORY■■■■■■■■■■■
こちらは、大河「新選組!」各話の感想を、管理人の視点でご紹介させて戴きます
歴史的な観点を抜きにして、ドラマを語らせて戴いております
少しでも共感して戴けると嬉しいです(汗)

[ 皆さんと語り合いたい!(ネタばれの内容はこちらでどうぞ) | 更新日:2004年03月18日]

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■第1話「黒船が来た」放映開始!

2004/01/11 

記念すべき第1回目。前半は多摩時代を重点的に描くと聞いていたので、オープニングから京都時代の”新選組”が出てきたときは正直驚きました。新選組ファンにとっては思いがけないプレゼントだったのではないでしょうか。
また、メインの新選組隊士をダイジェストで見せる方法は、ドラマの方向性を明確に表現する意味で非常に大切な役割を担っています。あれだけの短時間に、隊士それぞれのキャラクター、立場、関係が簡潔にしかも的確に表現されています。この場面を見て、各隊士を三谷さんがどう料理してゆくつもりなのか、だいたい分かったような気がします。
多摩時代を描く場合、メインとなる新選組隊士が出てこないめに話全体が単調になりがちですが、三谷さんは坂本龍馬や桂小五郎などの歴史的英雄を絡めてくることで作品に緊張感を持たせています。幕末をよく知らない方でも、坂本龍馬と聞けば「幕末」を意識しワクワクしますよね。
また、坂本竜馬と桂小五郎という歴史的な英雄と新選組。恐らく今後鍵を握るであろう人物を接触させている点も見事でした。この設定には史実上問題があると賛否両論、大きな波紋を呼びましたが、結果的に視聴者を釘付けにしているところが憎いです。まんまと三谷ワールドに引き込まれているのですから(笑)。
三谷幸喜の作品の凄さはこういうところにあると思われます。
史実の網の目を潜りながら、いかにドラマチックな幕末を描くか。
歴史を重んじる方々にも、新選組作品のエンターテインメント性を純粋に楽しんで戴きたいと思います。

あらすじ■■■
京都のある居酒屋を貸切り陣を構える新選組。目的は長州・桂小五郎を捕縛することありました。
料亭の前で張り込みを続ける監察・山崎が桂らしき人物を確認すると、直ぐさま近藤は隊士を連れ踏み込みますが、既に桂の姿はなく、数名の不貞浪士を捕縛するに留まったのでした。
時は遡り10年前、近藤勇は島崎勝太といい、試衛館の近藤周助の養子として武芸に励む毎日を送っていました。幼なじみの土方歳三の尻拭いまでさせられながら、勝太は多摩に生きる若者として青春を謳歌していたのでした。
ある日、桂小五郎と再会を果たした勝太は坂本龍馬という人物に出会います。浦賀に黒船を見に行こうと誘われる勝太。試衛館を任されている身でありながら、その未知なるものに惹かれる衝動を押さえきれず、彼は”黒船”という異国の世界を垣間見るのでした…。

感想■■■(歴史的な観点は抜きにしてドラマを語らせて戴いてます…汗)
今回は、なんといっても幕末の英雄たちと新選組との接触!に尽きます。
京都時代の新選組が、倒幕の首謀者とも言える長州の桂小五郎を血眼になって探す場面。10年前に日本の危機に直面した二人が国を憂いながら対立するということは、どんなに複雑な心境だったことでしょう。じっと目を閉じ多くを語らない近藤の姿から、それを感じずにはいられませんでした。また、寺田屋で知らせを聞く坂本龍馬。彼もまた、共に青春を謳歌した宮川勝太という男が、新選組局長・近藤勇として自分を含め倒幕派を取り締まる側に立っているという現実、またそうならざるを得なかった現実を噛みしめているようでした。これは双方が単に敵味方ではなく、手段の違いはあれど共に自国を愛するため翻弄していた同じ日本人に変わりはない、ということを認識する上で有難い内容でした。
また、佐久間象山との出会いも刺激的で素晴らしかったです。象山自身、格式に捕われない自由な発想を持ち幕末に生きた若者たちに多大なる影響を及ぼしています。そんな彼に(時勢のことなど無縁だった)勝太と歳三が出会う。黒船と同様、どんなに衝撃的だったことでしょう。彼らを通して、現代に生きる私達の心にも響くものがあったのではないでしょうか。

(細かく突っ込んだ感想は、後日じっくり書き込ませて戴きます…汗)

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■第7話「祝四代目襲名」

2004/02/22 

試衛館の門人や多摩の人々が駆けつけ、大国魂神社は大いに賑わいます。村の見物人に囲まれて準備する姿は、まるで運動会の騎馬戦のような熱気を思わせます(笑)。
江戸時代末期の何も娯楽がなかった時代。このようなお披露目は村にとっては一大イベントだったに違いありません。白組の大将になった彦五郎さんの嬉しそうなこと(笑)。しかも総司のお陰で勝っちゃったんですから嬉しさもひとしおです。反対に彦五郎さんに押さえ込まれ大将を討たれた土方さんの悔しそうな表情も見ものでした。 この時、戦法で山南さんと意見が分かれましたが、守りを固めたほうが先決だったようですね(笑)。試合には負けましたが直感型喧嘩師?の勝利でした。
それにしても、山南さんの太刀筋は上品で綺麗でしたね〜。
沖田さんとの因縁の勝負も見事でしたね。沖田さんの顔にも緊張の色が見られます。結果的には沖田さんの勝利でしたが、成長した沖田さんに嬉しい笑みを浮かべる山南さん。良いシーンでした。 個人的には歳三との勝負も見てみたかった気がしますが、この二人には必要ないのかもしれませんね。
そして、宴会でできあがってしまっている周斎さんと彦五郎さん(笑)。何度見ても笑えますね。
また、土方さんと山南さんの二人が常に近藤の脇を固めているというのも嬉しかったです。既に新選組参謀の風格が漂っています。お酒の席でも真面目に語っている山南さんはヒットでした(笑…ちょっと可哀相でしたが)。
そして、山本太郎さんの原田左之助は炸裂していましたね(笑)。本当に、あなた誰?ですよ(笑)!
永倉さんが思い出さなければ、彼はもう一升くらい酒を喰らっていたことでしょう(笑)。

また、ここでの屈折した土方歳三は(歳三ファンとしては)たまらない存在でした(汗)。
近藤が所帯を持ち試衛館の四代目を継いでどんどん出世してゆく。そんな近藤と自分を較べ自暴自棄になる歳三。また、土方は有能な門人たちに慕われる近藤にとって、自分が本当に必要なのかを考えるようになります。しかし、周斎は歳三の“生きた経験”でもって近藤を支えてくれと励まします。目頭が熱くなる歳三。親友として彼を支えろと教えられた為次郎の言葉が重くのし掛かります。この時の山本耕史さんの目が綺麗でしたね〜(ちょっとクラクラしてしまいました…笑)。

最後に、坂本龍馬との再会。これも良かったですね。またまた、ふら〜っと現れた坂本さん(笑)。
土方が坂本龍馬に指摘した「勢いに流されているだけ」という言葉は、坂本自身に強く突き刺さる言葉でした。江口さんの目がそれを物語っていたように思います。素直にへこんでいる(認めている)ところも竜馬らしくて?良かったですね。
恐らく、彼自身も異国に対して取るべき手段が見出せない段階だったのではないでしょうか。土佐勤王党の方針に違和感を感じながらも武市半平太に流され進むべき道を見失っている。後に日本を動かす英雄も悩み、道を踏み外した時期もあったのではないかなと思わせるエピソードでした。
それにしても、大事な血判状を(嬉しいのか?)見せびらかす望月亀弥太(笑)。血気盛んな普通のお兄ちゃん、という感じがして面白かったですね。
坂本龍馬と近藤勇との勝負も見事でした。 腹部すれすれのところを刀がかすめますが、坂本龍馬は近藤の気持ちを酌んだのか、あっさりと血判状を破り捨てます。潔くて男らしいではありませんか。
(この後、龍馬は半平太に散々非難されたことでしょう…笑)

今回は、近藤や坂本の華々しい船出が描かれていましたが、歳三や総司も含め実はそれぞれ人には言えぬ悩みや葛藤や不安を抱えながら生きている…。今後再会する時、彼らは一体何を見い出すのでしょうか。

補足?:山本太郎さん、本当に痛そうだったんですが、大丈夫だったのでしょうか(笑…相当顔が赤かったです)。

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■第8話「どうなる日本」

2004/02/29 

いよいよ、近藤・試衛館のもとに個性溢れる門人が集まります。
和気あいあいと台所で食事をする近藤と食客という名の居候たち(笑)。
近藤さんの人徳なのでしょうか、代が変わり賑やかな門人たちの笑い声を聞きながら、周斎さんも隠居の身が少し寂しそう?でした。
おつねさんも機転を働かせて主人を支えている姿が健気でしたね。近藤さんもたじたじの”おふで攻撃”をさらりとかわしてしまう。恐らく試衛館道場で一番強いのはふでさんでなく、おつねさんなのかも?しれません。
それにしても、納豆の食べ方で盛り上がる門人たち(笑)。左之助さん始め地方ネタが面白く描かれています。

京都から戻ってきた山南さん。話題は薩摩藩同士討ち「寺田屋事件」に及びます。井伊大老暗殺に始まった幕府の威信を揺るがす攘夷運動は、次第に倒幕の色を濃くしていくのでした。当然、京都で時代の空気を肌で感じた山南は、これからの日本を変えるべく清川八郎に会ってもらいたいと勧めます。日本の将来を憂いながらも、清川がヒュースケン殺害を目論んでいたことを知る近藤は、攘夷のやりかたに疑問を抱き山南の勧めを断るのでした。

今回は、近藤はじめ土方、沖田それぞれの1日が描かれています。
近藤は講武所の任に付く大事な日。大切な掛け軸を手放してまでお金を工面してくれた周斎(掛け軸の一本や二本、と言っていましたが恐らく一本しかなかったのでしょう…笑)。
試衛館の運営もままならぬ状態で、ささやかながらも応援しようと気遣う周斎さんの心中を知り感極まる近藤。愚かな風習を「出世のため」と敢えてしてしまう周斎の姿は(普通なら忌み嫌われべきものなのかもしれませんが)、ある意味人間的で泣けてくるほどの親心です。

しかし、講武所の実態を知り驚愕する近藤。もはや「格式よりも実力」を重んじる時代ではないことを冷静に指摘する只三郎の鋭い眼差しが、徳川幕府の行く末を見透かしているようで鳥肌が立ちました。ほんの少しでしたが、後に新選組と競合することになる見廻組・佐々木只三郎も鮮烈な印象を残しました。後の京都時代で新選組とどう絡んでくれるのか楽しみです。

次に沖田総司。北辰一刀流の伊東道場から天然理心流に移りたいという藤堂平助のために一肌脱ぐことになります。小細工を嫌う永倉さんの一本気なところもよかったですね!男です!ことごとく相手にされない原田さんがちょっと可哀想でしたが(笑)、ここで彼らの新選組における役割が分かったような気がします。
当時流派を逸脱することは、今で言えば大学をドロップアウトするようなもので、名門の北辰一刀流ともなれば一流の社交界から退くに等しい行為でした。
しかも名も知らぬ流派への移動。伊東が腑に落ちないのも無理はありません。
それにしても、永倉さんと伊東さんのやりとりはなんとも痛快でしたね!
神道無念流から北辰一刀流への移動を巧みに指摘しながら、じりじりと伊東さんを追い詰める(交渉する)! 文句なしに格好いい!!
名もない貧乏道場・天然理心流が名門・北辰一刀流に実践で勝つというファンとしてはたまらない展開でした。
しかし、沖田さんとトレードされそうになる藤堂さんは少し可哀想でした(汗)。
名前を覚えられないというのは認められていないに等しいですからね(汗)。伊東大蔵(甲子太郎)の、どこまでもクールな眼差しが少し痛く感じました。個人的には(心が読めない?)伊東さんのイメージにぴったりだったのでこのままクールビューティー(…すみません)で突き進んで戴きたいのですが、後に新選組を二分するほどの影響力をもたらした人物ですので、今後どのように描かれるのか気になるところでもあります。対して加納鷲雄は道理の分かる人物としてよく描かれていましたね。弟子でありながら、正しいと思ったことは人前であろうが意見をする真面目な性格…(笑)。近藤が大久保大和として投降した際にそれを見破った人物として、個人的にはあまり良いイメージではなかったのですが(すみません…汗)大河のお陰で見方が変わりました。三谷さん、ありがとうございます(汗)。

そして最後になりましたが、今回のメインイベントーッ(笑)?!
土方さんのお見合い!というか…、伸展が速くないかっ?歳さんっっ(泣笑)?!
近藤さんが大変な事件に関わっているときにあなたと言う人は…。
これは、「さすが歳!」と褒めるべきなのか…土方ファンとしてはちょっと複雑です(笑)。

後半、舞台はいよいよ伊藤軍兵衛の事件と移ります。

近藤は松本藩・伊藤軍兵衛に頼まれ、高輪にあるイギリス公使館に石田散薬を届けますが、ひょんなことからイギリス水兵と交流を持つことになります。
国や言葉は違えど、同じ人間であることを認識する近藤たち。お酒も入りお互いの距離も縮まっていきます。笑い声が響くお堂の向こうでは焦燥しきった軍兵衛の姿。温かい光に包まれたその光景を見た瞬間、軍兵衛に攘夷の狂気が芽生えます。大雨の中、白い傘が浮かぶ絵が印象的でした。
今まで酒を酌み交わし笑っていた人間が目の前で命を落としていく…。一瞬にして修羅場と化した光景に、近藤はねじ曲げられてゆく日本の姿を重ねるのでした。

攘夷という名の狂気が日本を覆う。この窮地を如何に乗り越えるか解決できないまま時代は流れていきます…。次回は時代の波にノリノリだった?坂本龍馬、勝海舟、佐久間象山の登場です(笑)!

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■第9話「すべてはこの手紙」

2004/03/07 

近藤さんに新しい家族たまちゃんが誕生します。小さな生命を愛しく感じる近藤。ありふれた、しかし確かな幸せを噛み締めるのでした。

試衛館の食客たちも、それぞれの個性を炸裂させていましたね。子供の扱いに慣れた沖田さんは壬生で子供たちとのエピソードを連想させ、思わずほのぼのしてしまいました。しかし、おつねさんにたまちゃんの子守を頼まれたおみつさんの立場がありませんでしたね(笑)。そこが、子を持つ母(おつねさん)との違いでしょうか(笑)。自分に正直な山南先生と、左之助の乱暴な(笑)あやし方にも笑ってしまいました。
そして、沖田さんと永倉さんと山南さん、それぞれの流派が入り乱れた試衛館道場の日常も見ものでした。異なる(流派)指導に振り回される可哀想な林太郎さん。各流派の長所を取り入れた、後の新選組の戦法を思わせる場面でした。
そして、貴重な大福を大事そうに一つだけ持って帰らせる周斎さん。おつねさんが大好きなんですね(笑)。
血の繋がりはないけれど、愛しいと思う者を大切にする。当たり前のことかもしれませんが、三谷さんのドラマにはささやかながらも、なんとも温かい家族愛が随所に描かれています。観ているこちらまでほのぼのしてしまいますね。

しかし、またもや?道場をこっそり抜け出して、お琴さんと逢い引きする歳三。嬉しいはずなのに(笑)周りを見渡して(誰もいないことを確かめて)手を振る姿が良かったです。しかし、所帯を持つ気はないと、束縛を嫌う歳三。昔の男女は結婚を前提にお付き合いしたとよく祖母に聞かされていましたが、歳三には全く関係ないようでした。さすが、歳さんです(汗)。お琴さんの兄にこっぴどく仕返しされても、手が出せなかったのは、自責の念があったからでしょうか。(奉公先の娘と関係を持った歳三が)京都に至っては遊び方がスマートだったという副長も、こんな青い時代があったのかな、と思わせるエピソードでした。

しかし、天然理心流の道場主に思わぬ事態が待っていました。講武所の任を解かれてしまった近藤。輝かしい未来を閉ざされてしまった近藤のもとに、坂本が現れます。土佐勤王党も土佐藩もやめたという坂本龍馬(笑)。今まさに人生のどん底にあった近藤にとって、坂本は理解しがたい思想の持ち主でした。
ここでの近藤と坂本の描かれ方が非常に面白いです。近藤は多摩の道場主として、ささやかながらも確実な人生設計を立てている、絵に描いたような堅実派です。それに対して坂本は、確かな要職にも着かず、あっちへふらふらこっちへふらふら…(笑)。柔軟な思想を持っていればこその行動かもしれませんが、当時はまさか日本の将来を左右するほどの歴史的英雄になるとは思ってもみなかったことでしょう。この型破りな性格の違い、というか器の違いが、上手く表現されていたと思います。
新選組は、徳川幕府に忠誠を尽くすという一念が根底にありましたが、この近藤のあまりにも一本気な性質がそうさせたのか、と思わせるエピソードでした。深いです。
地球儀を持ち出して、小さな日本を指す坂本龍馬。異国の文化や思想を吸収する龍馬に対し、その地球儀の意味すらも理解できない近藤。長年、鎖国で他の国との交流を持たなかった日本人にとっては当たり前の反応でしょうね。

それにしても勝海舟と佐久間象山のコンビは異色でしたね。出迎えがないとか、一緒に纏めろと言う佐久間象山。自己中極まりありません(笑)。べらんめぇ調でせかせか動く”江戸っ子”勝先生(笑)もあまりにイメージ通りで感動してしまいました。しかも、春獄公からお金を出してもらえるかもしれないと心が大きくなっているのか、言いたい放題(笑)。いい味出してました。あの佐久間象山と対等に渡り合うところなど、さすが大物の風格です。佐久間象山が書き残した有名な「東洋道徳、西洋芸術」も実は勝先生の言葉だった?(どうかは分かりませんが…笑)この下りも名言に貪欲な記録魔・象山先生らしいエピソードでした(笑)。
そして、名前を覚えられてないどころか顔も覚えられていなかった近藤さん。それどころか、またもや鬼瓦と呼ばれてしまう(汗)。この先、近藤さんは象山先生に名前を覚えてもらえることはできるのか?!恐らく、近藤は象山に名前を覚えられることはないでしょう。思い出のコルクを価値のないものと言われ、佐久間象山に投げられる場面を見ても、近藤さんと象山は(物語では出会っていますが)接点がないのです。
ここで、また坂本龍馬との比較をしてしまったのですが、ここからは個人的な意見となりますので、さらりと読み流して戴ければ幸いです。
象山と勝、そして坂本は、この時点で幕府から全世界における日本国を意識している、近藤とはかけ離れた思想を持っているわけです。この違いに優越を付ける気は毛頭ありませんが、以前出てきた「井の中の蛙〜」という言葉の重要性を今思い知らされました。
多くの偉人が成し遂げてきた歴史の上に今の日本が成り立っていることを、私たちは知っています。
しかし、それでも私たちが「新選組」という小さく時代錯誤的な集団に惹かれるのは(手段はどうであれ)彼等の曇りのない真っ直ぐな忠誠心にあったのではないでしょうか。
皆さんもご存じの通り、近藤たち新選組は坂本や勝などといった進んだ思想とは全く反対の道を歩みます。時代に逆行していると気付いても、敢えてそれをしなかった。その彼等なりの思想が、現在でも多くのファンを魅了する要因のひとつではないかと思います。

それにしても、日本で最も進んだ考えを持つ人びとの会話。これでいいのか(笑)?!
しかし、こんな他愛もない話が日常茶飯事に繰り返されたのかもしれませんね。

最後、講武所に直談判に出掛ける近藤。能力を問われるならまだしも百姓上がりというだけで拒否をされたことが悔しくてならなかったのでした。百姓に身をやつしても、ひと度戦が始まればその身を投げ出しても将軍家に報いようとする八王子千人同心の誇りは身分という強固な壁によって脆くも崩れ去ったのでした。佐々木只三郎の身の程を弁えよという言葉。これだけは自分が努力をしても変えられない、どうにもならない現実を突き付けられます。
しかし、奈落の底に突き落とされる近藤に、山南から思いがけない手紙が届きます。
尽忠報国の志を持つ者であれば出自を問わず募集するという浪士組。講武所の任を解かれ絶望の淵に立たされた末、手にした希望の光。近藤は無我夢中で走り出すのでした。
ここでの近藤とおつねさんのやりとりは、日本における古き良き時代の夫婦を感じさせる場面でしたね。
講武所の話が流れたことをおつねに伝える近藤。先の見えない夫の不甲斐なさを責めるどころか、励まし気遣うおつねの気持ちが痛いほど伝わってきました。小さな幸せを守りたいと思うおつねさんの気持ちも、女性として当たり前なことでなんだか応援したくなってしまいました。
作り途中の”ふわふわ卵”が総てを物語っていたのではないでしょうか…。

それにしても、原田さんの「人としてこれでいいのか?」生活(笑)。結局、そのちゃらんぽらんな行動が近藤さんの転機に結びついたのですが、いやはや人生とは分からぬものですね(笑)。
とにもかくにも、いよいよ浪士組!試衛館の人々が時の人となります!

個人的に、大工仕事を手伝う?永倉さんの隠された一面が気になる管理人でした。

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