新選組が会津藩お預かりとなり、土方歳三は早速組織づくりに励みます。組織をまとめるために局中法度を作り規律を守ろうとしますが、ことあるごとに芹沢派と対立する日が続くのでした。主君も持たない寄せ集めの集団をいかに纏めるか、法度書を芹沢や新見に提案しますが、反対に「士道とはなにか」と問われます。言葉にならない二人。土方と近藤の”士道”とは、文字や言葉では表せないものであり、これから彼らが身を持って歩もうとする”道”なのでした。ここで少し意外だったのは、全く取り合わない新見に対して芹沢が「水戸には水戸の武士道がある。士道とは藩法のようなものだ。」とある意味、明確な答えを出したことです。傍若無人ではあるが、彼もまた彼なりの士道を持った人物なのです。ちょっと格好良かったですね(笑)。
ある日、守護職からの帰り道、土方歳三はただならぬ気配に気付きます。ここで、登場するのが中野誠也さん演じる監察・山崎です。密かに二人の護衛をしていたという山崎は、発足したばかりの組織の中でただ一人、己のするべき職務を模索し実行している真面目な隊士として登場します。その誠実さを買われ、後の監察・山崎が誕生するのです。が、よくよく考えるとその登場が可笑しい(笑)。このとき結構細い木の裏からさっそうと出てくるのですが、隠れている姿は全く見えない。監察の素質があったとしても、この時の中野誠也さんは驚くべき細さです(笑)!山崎の誠実な人柄をアピールする貴重な場面なのですが、見れば見るほど気になってしまうのでした(笑)。
また、この回は新選組の晴れ舞台となるべくある事件を描いています。土方と沖田は市中巡察に出た際、九条家の公卿侍が長州に斬殺される場面に遭遇します。長州侍を追い三条木屋町の紅屋に駆け込む二人。この時、土方さんが岡っ引きや同心に何度も「会津藩お預かりの新選組だ」「新選組の土方と沖田だ」と言っているのが笑えるのですが(笑)、本人は新選組を売り込もむことしか考えていないのか(笑)、自分の命も顧みず長州に挑みます。
この手柄により、新選組は会津藩から報奨金を戴き、長州を始めとして京じゅうにその名を知られることになります。早速、長州勢の待ち伏せを食らう土方と沖田。またもや、(いつの間に?)護衛していた山崎も加勢し、新選組結成の確かな手応えを確認しあうのでした。
因みに、河合さんが鯖寿司を振る舞う場面があるのですが、ここでの試衛館の面々のやりとりは何度観ても微笑ましいです。原田さんが「近藤さんにも持っていこう」と分ける下りは、試衛館時代の素朴な絆を物語っているようで感動してしまいます。また、「ほな、ご免!」という河合さんの言葉にもご注目。商人武士入り乱れた言葉がなんともコミカルで笑えます。 |