■CINEMA■■

「伊能忠敬−子午線の夢」

2001/11/17〜 

監督…小野田嘉幹
夢と共に人生を歩み続けた男、伊能忠敬。加藤剛さんの誠実な人柄がよく表れていた作品だと思います。
中野誠也さんは豪商・山片蟠桃役で、味のある最後を締めくくっています。
同じ学者として相手(伊能忠敬)を認め、尊敬の念を抱く…パンフレットの中で中野誠也さんはそう綴っていましたが、伊能忠敬と山片蟠桃との掛け合いはまさに男の浪漫をかけた貴重な場面となっています。
また、作品の中に出てくる女性陣も光っていました。お栄役の賀来千香子さんに、伊能イネ役の西田ひかるさん。そのひたむきで前向きな姿勢に、なんとも日本人女性のタフさを見た気がします(笑)。


「 大奥十八景」

1986 

脚本…南原幹雄
出演…あおい輝彦 伊織祐未 山本奈津子 新藤恵美 辻沢杏子 勝野洋 野村真美 森田水絵 渡辺良子 八神康子 美波千秋 中野誠也
徳川四代将軍・家綱を取り巻く女たちの絢爛たる大奥色絵巻。大奥の女たちの生きざまや争いをこれでもかっ!というほど見せつけてくれます。大人の映画ですので、借りる時には注意して下さい(笑)。
急逝した徳川四代将軍・家綱亡きあと、次期将軍の座をめぐって大老酒井忠清と老中堀田正俊の暗闘が展開するなか、医師・中条源四郎は、老中堀田の密命により家綱の種を宿した女を探すべく、大奥の女たちと関係してゆきます。
中野誠也さんは、家綱の隠し子を葬るために暗躍する老中堀田正俊役として登場します。家綱や中条源四郎が女と戯れて?いるなか、唯一将軍家のため(野望のため?)に脇目も振らず翻弄する中野さん(笑)。女といえども容赦はしない(笑)。もう、彼には次期将軍・綱吉のことしか眼中にないらしく、その探究ぶりは目を見張るほど。眼力パワー炸裂です!


「 天城越え」

1983 

原作…松本清張/脚本…三村晴彦 加藤泰
出演…田中裕子 渡瀬恒彦 平幹二郎 加藤剛 中野誠也
天城峠で出会った女と少年の物語。しかし、殺人事件が起こり女は容疑者として逮捕されてしまいます。数年後、少年は大人になり、当時事件を追っていた刑事と再会。女は獄中で亡くなったことを知り、自分も余命の短いことを悟るのでした。
中野誠也さんは、主人公の得意先の広報官として出演しています。ものの3分くらいですが、とても人の良さそうな役柄でした。


「 未完の対局」

1982 

脚本…神波忠男 大野靖子 安倍徹郎 李洪洲 葛康同
出演…三國連太郎 孫道臨 沈冠初 紺野美沙子 乙羽信子 大滝秀治 三田佳子 伊藤つかさ 石田純一 中野誠也 松坂慶子 黄宗英 劉新 
日中国交正常化10周年記念作品として映画化された日中共同作品。
1920年代、碁の名手・松波(三國連太郎)は中国訪問中に現地の名人・易山(孫道臨)と出会います。易山の息子・阿明(劉新)の才能を見抜いた松波は弟子として日本に連れて帰りたいと申し出、やがて阿明は松波の下で実力をつけていきます。成人して門下一の腕を持つようになった阿明(沈冠初)は、次第に松波の娘・巴(紺野美沙子)と愛しあうようになりますが、日本軍の中国侵略が戦争へと発展しいよいよ激戦化してゆくなか、祖国のために戦おうと考えるようになるのでした。
中野誠也さんは天聖位戦で阿明と競う、天聖篠原八段役として出演します。
結局、阿明に負けてしまいますが、負け方も潔く堂々としていて、大変好感の持てる役柄でした。
因みに、篠原役の中野さんは丸眼鏡でカモフラージュしていますが(笑)黒縮緬の羽織が異様に格好良く、見愡れます(ここでも煙草をふかしまくっています)。特に、対局中のまっすぐ碁盤を見つめる中野さんの表情は必見です。
また、戦後混乱期、偶然松波と再会する場面では、丸眼鏡に姿復員兵姿でなんとも人の良さそうな雰囲気でした。
中野さんの出番は少ないですが、話の内容は大変重く考えさせられます。機会がありましたら是非ご覧下さい。


「ザ・ウーマン」*

1980 

「ザ・ウーマン」は、江戸時代の竹本小伝の話で、夫がいる身にもかかわらず、男心をそそる美貌と魅力で、様々な男と関係していく、というものだそうです。中野誠也さんは、その小伝が心底惚れ抜いてしまう七之助役になっています。

記事:まろさま


「 事件」

1978 

監督…野村芳太郎/脚本…進藤兼人/原作…大岡昇平
出演…丹波哲郎 芦田伸介 永島敏行 松坂慶子 中野誠也
19歳の未成年が恋人の姉を殺害した事件で、物語は裁判での証言から事件の真相に迫るというもの。法廷では殺害の動機、計画性について検察側と弁護側とが対立するのですが、そこで中野誠也さんは判事役として出演します。
台詞は少ないのですが、公判中画面の至る所で映るため目が離せません。
うつむいてあたかも書類に目を通しているような姿には惚れ惚れしてしまいます。


「 超高層ホテル殺人事件」

1976 

監督…貞永方久/脚本…野上龍雄 安倍徹郎
出演…近藤正臣 由美かおる 西村晃 中野誠也
ある高層ホテルの披露パーティーで殺人事件が起こります。主人公(近藤正臣さん)は父親が犯した殺人を隠すため、また残されたホテルを守るため新たな殺人を犯してしまいます。しかし、歯車は次第に狂いはじめ破滅へと向かって行くのでした。
この作品で中野誠也さんは警視庁捜査一課の那須警部として登場します。主人公(近藤正臣さん)を問いつめる際の鋭い視線は見ものです。
このとき38歳。大人の香りとも言うのでしょうか、渋さも加わってとても素敵でした。 顔もややシャープに見えます。背筋もすっとしていて、颯爽としていて、こんな警部だったら捕まってもいいかもしれないと思ってしまいました(笑)。
最後、逃亡を計る主人公を追い詰め、「上尾の飛行場に行くつもりだ!」と叫ぶ場面は見ものです。下からのアングルはかなり決まっていました(笑)。
個人的には飛行場まで追いかけてほしかったのですが(そして、遠く飛び立ったセスナを見送るのです…笑)、警視庁で電話片手に叫ぶ場面も圧巻です。出番は少ないですが、かなりお勧めです。


「塩狩峠」

1973 

原作:三浦綾子
脚本:楠田芳子
監督:中村登
出演:中野誠也 新克利 永井智雄 近藤洋介 佐藤オリエ 長谷川哲夫
この作品もビデオ化されていますが、主人公・永野信夫の純粋な心が痛々しいほどに胸を打ちます。ヤソ嫌いの祖母によって育てられた永野信夫は、ある日同級生の吉川を訪ね蝦夷(北海道)に渡ります。そこで、吉川の妹ふじ子に出会い、その透明な明るさに次第に惹かれるようになります。自分の思いを打ち明け、結ばれる二人。いよいよ結納の日、名寄から札幌に向かう汽車が塩狩峠にさしかかった時、思いも寄らぬ事故が永野を襲います。その時、永野は…。
なんとも、悲しい物語です。でも、ここでまた苦悩する中野誠也さん=永野信夫の姿は驚くほど美しい(言葉の使い方が間違っているかもしれませんが、本当にそう思うのです)です。永野と吉川の友情も美しいです。


「忍ぶ糸」

1973 

原作:北泉優子
脚本:松山善三
監督:出目昌伸
出演:栗原小巻 加藤剛 中野誠也 真野響子
組紐で名高い伊賀上野。一人の男性への想いを内に秘め、組紐に一生を捧げた女の物語。主人公・千賀(栗原小巻)は組紐屋の老舗の一人息子・洋三(加藤剛)に想いを寄せますが、身分の違いになすすべもなく他家に嫁ぐことになります。洋三への想いを断ち切れず、ますます組紐に没頭してゆく千賀。そんな彼女に幸せな家庭など築けるはずもなく、とうとう心を通わせることもなく夫は先立ってしまいます。一方、娘・亜木子(真野響子)は母に似て美しく成長し、ある日陶芸家の三沢(中野誠也)という男性に出逢います。三沢が萩へ旅立つ日、千賀は自分と同じ道を歩ませまいと、亜木子を三沢に託し、二人の乗る列車を見送るのでした。


「陸軍中野学校−雲一号指令」*

1966 

「陸軍中野学校」では、主人公椎名次郎の大学時代の友人でありながら、敵の諜報部員として暗躍し、秘密書類を盗み出すという見せ場?があります。しかし、椎名次郎によって正体を暴かれ、逮捕されます。
椎名次郎に「正直に言えば死刑だけは免れる」と言われ、友情と任務との間に苦しみながらも、「隣の憲兵を呼んでくれたまえ」と静かに答え、取り調べの隙を見て、窓から飛び降りて命を絶つという役でした。

記事:まろさま



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