■小説

 「新選組始末記」             オススメ度★★★★
著者 子母澤寛

新選組三部作の一つ。戦前、「東京日々新聞」に連載されていた「戊辰物語」で、新選組関係者とかかわった子母澤寛がまとめあげたもの。現在では、新選組を語る時欠かせぬ古典的存在。
 「新選組物語」             オススメ度★★★★
著者 子母澤寛

新選組三部作の一つ。近藤勇の小姓をしていた池田七三郎の聞き書きに加えて、歴史小説を掲載している。
 「燃えよ剣」             オススメ度★★★★★
著者 司馬遼太郎

土方歳三が主人公。この小説をきっかけに、新選組、特に土方歳三像は、大きく変化したといってもいいでしょう。新選組の影の指導者として、それまで負のイメージで語られることの多かった土方さんが、多摩での「茨垣(バラガキ)」時代、京都での新選組副長時代、そして孤独な箱館時代と、人間味あふれる魅力的な男として描かれています。また、土方さんと沖田総司の掛け合いは、本物の兄弟のようになんとも微笑ましく描かれており、新選組が単なる殺戮集団ではなく、勤王派志士と同様、夢や志をもつ集団であったことを示唆しています。
 「新選組血風禄」             オススメ度★★★★★
著者 司馬遼太郎

新選組の隊士達を描いた15話からなる小説。幕末の殺戮集団として恐れられていた彼らが、ちょっぴり可笑しく、ときには優しく、そしてなんとも切なく描かれています。個人的には、「胡沙笛を吹く武士」が、好きですね。ここでは、一般隊士を気遣うちょっぴり優しい土方さんに会えます(笑)。
 「幕末新選組」             オススメ度★★★
著者 池波正太郎

永倉新八が主人公。幕末の世を転戦しながら天寿を全うした永倉さんの目を通して新選組を描いています。
 「近藤勇白書」             オススメ度★★★
著者 池波正太郎

新選組局長として変貌していく近藤勇の生涯を描いています。近藤さんの最期は圧巻。
 「新選組顛末記」             オススメ度★★★★
著者 永倉新八

新選組二番隊長・永倉新八自身が残した懐古集。隊士自らが残す唯一の書物として、歴史的な価値があります。しかし、記憶に不鮮明な箇所や、一部脚色した箇所があり、すべてを評価するには不確実なところあり。

 「壬生義士伝」             オススメ度★★★★★
著者 浅田次郎

故郷に残した妻子のため、守銭奴と言われながらも剣の腕を振るう吉村貫一郎。人斬り集団と恐れられた彼等の人間模様が見えかくれするこの作品は、貫一郎を始め個性的で人間味溢れる人物が多く登場します。彼に関わる多くの人の話をもとに、物語が構成されているのですが、間接的に描かれているとはいえ、土方さんが指揮官としていかに大きな器の持ち主であったかを示す表現が、ファンにとってはなんとも嬉しいです。また、吉村貫一郎の最期・切腹の場面には泣かされました。オススメです。

2003/10/10/MANOE 

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